
最近になってGoogleマップのメニュー欄に、ユーザーが投稿したメニュー写真が自動で文字起こしされメニューとして登録されているケースが確認されています。
オーナーが一切関与していないのに、気がつかないうちにメニュー欄が作られている状況になっているようです。この文字起こしの挙動は、ここ最近になって確認されるようになったもので、比較的新しい動きです。
気がついたきっかけはメニューの「販売者提供」という表記
ローカルビジネスのナレッジパネルのメニュー欄を見ていると、一部のメニューアイテムに「販売者提供」という表記がついていることに気づきました。
検証したところ、これはGoogleビジネスプロフィールのメニューエディタ経由で登録したメニューに表示されるもので、「オーナー自身が登録した情報」を意味するようです。
ところが、同じメニュー欄で「販売者提供」の表記がついていないケースもあります。
この表記なしの参照元を調べてみたところ、ユーザーが投稿したメニュー写真の内容と一致していることがわかりました。どうやら、Googleがユーザー投稿のメニュー写真を自動で文字起こしして、メニューとして登録しているようです。
複数地点で検証したところ、サイトクロールやユーザー登録では考えにくい誤字、メニュー表との表現の一致(途中で切れる・キャッチコピーなど)が確認できました。
複数の地点で同じ現象を確認
これは特定の1地点だけで起きている話ではなく、複数の地点で同様のケースを確認しています。
例として確認した別の地点では、メニュー欄に「真鯛 880円」「鮮たたき 780円」という2品が登録されていました。
このうち「鮮たたき 780円」は、ユーザー投稿のメニュー写真と照合すると、おそらく写真上の「鰹たたき」を誤認識した結果です。OCR的な処理で品名が変わってしまっているということで、文字起こしのミスがそのままメニューとして登録されるケースが実際に起きています。
この地点では、オーナーによるメニュー登録は確認できませんでした。オーナーがGBP経由でメニューを登録していない状態で、ユーザー投稿写真の文字起こし結果がメニューとして登録されているということになります。
複数あるメニューの取得元
現時点で確認できているメニューの取得元を整理しておきます。この3つは共存することはなく、おそらくGBP経由でのメニュー登録がある店舗は、それが最優先されます。
① GBP経由(「販売者提供」あり)
Googleビジネスプロフィールのメニューエディタで登録した場合、「販売者提供」という表記がつきます。オーナーが直接管理できる情報です。
② ユーザー投稿のメニュー写真の文字起こし(「販売者提供」なし)
Googleマップにユーザーが投稿したメニュー写真を自動で文字起こしして、メニューとして登録しているケースです。オーナーがGBP経由でメニューを登録していない地点で発生しています。販売者提供ありの地点では、このタイプのメニューは登録されません。
③ 外部サイト(「取得元: (URL)」と表示)
autoreserveなどの外部の飲食店情報サイトからもメニューが取得されているケースを確認しています。このケースでは「販売者提供」ではなく、「取得元: autoreserve.com/ja/〜」のように取得元のURLが表示されます。autoreserveとGoogleとの間で特別な連携があるのか、GoogleビジネスプロフィールAPIを利用しているのかは不明です。オーナーがオプトアウトや情報の更新をどうすればいいのかも、現時点では不明です。
ヘルプにはまだ説明なし
「販売者提供」という表記の意味については、現時点ではGoogleの公式ヘルプに説明が見当たりません。あくまで実際の検証から推測した内容です。
しかし、現在、Googleビジネスプロフィールのヘルプには「ウェブサイトから転記することがある」とあっても、「ユーザー投稿のメニュー写真から転記する」という説明はありません。
メニューの書き起こし
Googleは、お客様のビジネスウェブサイトからメニューデータを転記し、ビジネスプロフィールに正確に表示する場合があります。
(※日本語ヘルプでは上記箇所は「ビジネス プロフィールにメニューの情報が正確に反映されるよう、メニューデータが文字起こしされる場合があります」となっていますが、原文の英語ヘルプを引用)
この「メニューの文字起こし機能」、これまではウェブサイトに掲載されているメニューをGoogleが読み取ってプロフィールに反映する機能、あるいはGBP側でオーナーがメニュー写真をアップロードしてAI変換する機能のことだと理解していました。
コミュニティでも同じ相談が増えてきている
Googleビジネスプロフィールのコミュニティフォーラムにも、同様のケースが投稿されています。
AIがWEB上の情報や口コミから勝手に拾ってきて表示しているメニュー(メニューの要約)の間違いが多いため削除してください。 - Google Business Profile Community
相談の内容はこういった状況です。
・AIがWEB上の情報や口コミから勝手に拾ってきて表示しているメニューの間違いが多い
・削除したいが、管理メニューからは削除できない
・編集・削除ができないのであれば、すべて削除してほしい
この相談を確認したところ、AIではなくユーザーが投稿したメニュー写真が文字起こしされてメニューとして登録されているケースだとわかっています。例えば「ビストロあん庵本日のランチメニュー」という文言が、ユーザー投稿の写真と完全に一致していました。
「メニューが登録されているのに気がついていなかった」「更新したいが、更新箇所・方法が見当たらない」オーナー側が管理できない形でメニューが登録されているわけで、これはなかなか怖い話だと思います。
文字起こしによって起こりうるリスク
大きく2種類のリスクがあります。
ひとつは、古い情報が登録されるリスクです。ユーザーが過去に投稿した古いメニュー写真が文字起こしされて、現在のメニューとして登録されてしまうケースです。値段が変わっている、提供終了した品目がある、季節限定で今はやっていない、そういった情報が、今もメニューとして登録・表示されているかもしれません。
もうひとつは、文字起こしのミスによって正しくない情報が登録されるリスクです。画像から文字を起こす処理なので、読み取りミスが起きることがあります。先ほどの「鰹たたき」→「鮮たたき」もそのひとつです。また、コースメニューの一部がそのままアラカルトとして登録されてしまうケースも考えられます。写真に写っているメニュー表がコース専用のものであっても、Googleはその文脈を読み取れず、単品料理として登録してしまうということです。
どちらのケースも、来店したお客様との食い違いが起き、低評価の口コミにつながりかねません。
どうすれば防げるか・削除できるか
現時点での打ち手です。
GBP経由でメニューを登録する
「販売者提供」として優先表示される可能性があります。登録されていれば、ユーザー投稿によるメニューは表示されないようです。また、過去登録されたユーザー提供メニューを消すこともできます。2つ以上の登録が必要という話もありますので、複数入れていただくのが推奨です。
もしGoogleビジネスプロフィールを利用できない・メニューを登録できない場合は、参照元の問題のメニュー表の画像を削除依頼するか、新しいメニュー表を登録してみてください。
Report inappropriate photos or videos on your Business Profile - Google Business Profile Help
こちらの有効性・即効性は低いですが、上書き・削除される可能性はあります。
Googleに対して改善を求めたい点
この件、Googleに対して改善を求めたい点がいくつかあります。
- 登録・削除方法をヘルプに明記してほしい:ユーザー写真由来のメニューがどう登録され、どう修正するかが、現状では公式ヘルプに書かれていません。
- 「販売者提供」という表記の意味を説明してほしい:オーナーが自分のメニュー欄の情報源を判断できるよう、表記の意味を明示してほしいところです。
- 古い写真は文字起こしの対象から外してほしい:投稿日が古い写真や、日替わりランチのような更新頻度の高いメニュー表は、文字起こしの対象から除外するのが妥当ではないかと思います。
この文字起こし機能自体はまだ比較的新しく、まだ情報収集中のところです。今後の動向を引き続きウォッチしていきます。
飲食店のGBPを管理している方へ
Googleビジネスプロフィールのメニュー欄を、一度確認してみてください。
自分では登録した覚えがないのにメニューが表示されている——そういった場合は、ユーザー投稿写真から自動で登録されている可能性があります。内容が古い、品名が変わっている、価格が違う、といったケースが起きていないかチェックしておくことをおすすめします。
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