最近、増えている悪質なMEO対策(Googleビジネスプロフィール)のトラブル事例と対策を紹介します。
トラブル①:メインのオーナー権限が取られたまま連絡不能な状況と連絡不能な状況
Googleビジネスプロフィールの更新や運用を外部の会社に依頼した結果、その会社がメインのオーナー権限を持つことになり、その後、音信不通になったというケースです。依頼した会社が倒産したり、連絡が取れなくなったりすることで発生しています。該当する企業の口コミやネット上では同様の被害が多数報告されており、連絡を取るのが困難であると書かれていました。
この場合、Googleビジネスプロフィールの管理者権限を持っていれば、オーナー権限を別の方が取得することは可能です。管理者権限は、ユーザーの追加や自分をオーナーに昇格させることはできませんが、権限リクエストの承認は可能だからです。
別のGoogleアカウントを用意して、「オーナーリクエスト」をして、それを管理者が承認してください。もし、権限を持っていなかった場合は、再度のGoogleビジネスプロフィールのオーナー確認は可能です。ただし、その場合、以前のオーナーが登録した情報はすべて削除されてしまう可能性が高いのでご注意ください。
もし同じ状況に陥った場合、なるべく急いで対応してください。メインのオーナー権限を持ったGoogleアカウントが削除されてしまった場合、連動してGoogleビジネスプロフィールも停止されてしまう可能性が高いからです。
オーナー権限を持った会社が行方不明になるケースが増加
これと似たケースとして、「Googleの代理店を名乗るストリートビュー業者にGoogleビジネスプロフィールの開設をお願いして、メインのオーナー権限を持たれたまま連絡がつかなくなってしまった」という相談が増えています。
その背景には、2020年代のMEO対策ブームの流れに乗って、ストリートビュー撮影会社やMEOサービス・ツールベンダー、ローカルメディアが、「Googleビジネスプロフィール登録代行」の事業を急展開されたことがあります。
数年前までは需要がありましたが、ここ1,2年で、Googleビジネスプロフィールが普及したこと・オーナー確認の難易度が上がったことにより、サービスの提供を中止する事業者が増えています。
その結果、「メインのオーナー権限を持ったまま、連絡がつかなくなった」という状況が増えつつあるようです。なおストリートビュー業者による別のGoogleビジネスプロフィールのトラブルも発生しており、これはまた改めてどこかで紹介する予定です。
トラブル②:キャッシュバック案内と不透明な契約
ここからは、ここ数ヶ月で急増している事例です。
MEO運用代行会社との契約において、キャッシュバックが約束されていたにもかかわらず、期日になっても振り込まれず、その後連絡が取れなくなったというケースが複数報告されています。
契約は電話口での指示に従って操作する形で行われ、契約書控えを受け取っていなかった。月額料金を先に支払う仕組みで、数ヶ月後にキャッシュバックされるという形式が取られることがありますが、このキャッシュバックが実行されないまま連絡が途絶えます。
相手の会社が上場企業と提携していると言っていたため信用してしまったそうです。このケースでも、メインのオーナー権限を代理店に取られてしまっています。
トラブル③:不審なMEOの営業手口
これは、Xで発見した事例です。ケース②と同様、MEOの営業電話が来て、その内容や会社の情報に不審な点が多かったというケースです。
「実績作りのため1年間無料」といった誘い文句から始まり、最終的に高額な費用が発生し、その後にキャッシュバックという複雑な仕組みを提示されます。
また、案内の会社と契約会社が異なっており、契約を他の会社とさせようとするため不透明です。
MEOサービスを勧める会社であるにもかかわらず、会社名を検索しても出てこない、またはウェブサイトに代表者名がないなど、基本的な企業情報が不透明なことが多いです。オフィスの住所がバーチャルオフィスであり、不審な点が多いことも指摘されています。
トラブル④:複数サービス契約と未払いキャッシュバック、残された権限問題
実は、ケース3と類似した相談が以前、コミュニティにもありました。
SNSマーケティングのサービスに問い合わせたところ、代理店を名乗る別の会社から連絡が来たという事例です。この代理店は、実質的に同じ会社が提供する別のサービスも利用するように促し、この方は結果的に、MEOサービスを含む二つのサービスを契約したそうです。
MEOサービスについては、特定の期間契約で高額な月額料金が設定され、特定の期間キャッシュバックするという約束がされました。しかし、初回を含め、約束されたキャッシュバックは一切振り込まれず、その後、会社と連絡が取れなくなってしまったそうです。
このユーザーは、キャッシュバック被害について警察への相談を検討しており、Googleビジネスプロフィールの権限についても、今後の対処に悩んでいる状況です。
悪質なMEO営業から身を守る対策
これらの悪質な案内から身を守るための対策を紹介します。
1. メインのオーナー権限は決して外部に渡さない。
外部の業者にGoogleビジネスプロフィールの運用や確認代行を依頼する場合でも、管理権限のみで運用は十分に可能です。メインのオーナー権限にしかない操作機能は「ユーザーの追加・削除」のみです。Googleのガイドラインでも、店舗自身がメインのオーナー権限を持つことが定められています。
もし一時的にでもメインのオーナー権限を渡す必要がある場合は、最低限、ご自身が「管理権限」は必ず持つようにしてください。
2. 電話でのMEO対策の営業には警戒する
電話やFAXでの悪質なMEO対策は、過去何度も確認されています。「Googleパートナー」というようなサービス名でGoogleを装った案内や、「このままだとGoogleマップに掲載されなくなる」という脅し文句、もともと無料のGoogleビジネスプロフィールを「無料で利用できる」といって、電気やGoogleストリートビューの撮影を有料で案内するなどの問題が相次いでいます。
3.インターネットで評判を調べてから判断する
社名を聞いて、インターネットで調べてから判断することをおすすめします。特にGoogle検索で評判が悪いサービスや、公式サイトが出てこないようなサービスには注意が必要です。残念ながら、一部の悪質なサービスはそれに対しても対策を行なっていますが、それでも多くの怪しい営業から身を守ることができます。
もし判断に迷ったら、Googleビジネスプロフィールのヘルプコミュニティにご相談いただくのもおすすめです。
これらの情報が、悪質なMEO対策の被害を防ぐ一助となれば幸いです。
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