Googleマップの不正行為である「特典を使った口コミ集め」と「レビュー投稿の強要(否定的なレビュー投稿の妨害・肯定的なレビューの誘導)」を報告できる「事業活動の報告」フォームが公開されました。
これまで店名や住所などの不正行為を報告するフォームはありましたが、不正な口コミ集め行為を報告するフォームはありませんでした。
今後、ユーザーから、不正行為による口コミ集めをやっている店舗が報告を受けるリスクが格段に高まっていくこととなります。
※注意点:フォーム自体は日本語対応済みですが、「フォームに関するヘルプがない」「ケースIDが発行されない」「リリースアナウンスがない」「ユーザーへのフォームの動線が限定的」であることから、2024年11月時点ではテスト公開の可能性も考えられます。
先週、特典による口コミ集めをしていた店舗を報告してみましたが、今のところ変化はありませんでした。
※私のブログをもとに、ホワイトペーパーやブログ、SNSでの情報発信をする際には、引用元の明記をお願いいたします。
事業活動の報告フォームとは
不正な口コミ集めの報告に必要な情報は6つです。
- 報告する場所のマップ URL
- 報告に使うメールアドレス
- 該当する違反の種類(レビューの見返りとしてなんらかのインセンティブを提供している・レビューの投稿を強要している)
-
違反行為を見つけた場所(SNS・店舗・アプリ、メール、SMS・ウェブサイト・口コミ・その他)
- 違反の証拠ファイル(ビジネスがレビューの見返りとしてインセンティブを提供している、または好意的なレビューをリクエストしていることを確認できるもの)
- 証拠提供のためのURL(任意)
の6つとなります。
証拠の条件は以下の3点です。
- 鮮明な画像
- レビューに対するインセンティブや強要の言及
- ビジネスとの関連性
例えば、字が読み取れない画像や店名が入っていない案内、特典と引き換えということが書かれていない案内は証拠とはなりません。
このフォームに関するヘルプは現状ではありませんが、おそらく報告された地点に単純にペナルティを課していくわけではなく、口コミの審査システムを補完する仕組みと考えられます。報告されて調査した結果、口コミの方にも疑わしい傾向が見つかれば、違反措置を受ける可能性があると思われます。
現在このフォームは、直接URLにアクセスするか、ナレッジパネルの「修正を提案」の2通りのアクセス方法があります。
※11/28(木)追記:Google検索のナレッジパネルの「修正を提案」の下部に「事業活動を報告」のリンクのテスト表示を確認
Google検索のナレッジパネル「修正を提案」からのアクセス
- 該当する店舗の「情報の修正を提案」をクリック
- 一番下部の「事業活動を報告」を選択
Googleマップの「修正を提案」からのアクセス
- 該当する店舗の「情報の修正を提案」
- 「休業、閉業、または削除」を選択
- 一番下部の「ビジネス行為を報告」を選択
不正となる口コミ集め(虚偽のエンゲージメント)とは
この報告フォームの対象となる違反とは、「虚偽のエンゲージメントに関するポリシー」に抵触する行為です。
マップの虚偽のエンゲージメントに関するポリシーでは、ビジネスに対して以下のような行為を禁止しています。
- レビューの投稿や否定的なレビューの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為
- 否定的なレビューの投稿を妨げたり禁止したりする行為や、肯定的なレビューを顧客から募る行為
例えば、「口コミを投稿してくれたら100円オフ(インセンティブ)」、「事前にアンケートを取り、高評価ならGoogleマップの口コミ投稿へ誘導、低評価の場合は独自のアンケートフォームへ誘導する(レビューゲーティング)」ことが、違反行為に該当します。
フォーム上には書かれていませんが、投稿代行による虚偽の口コミも虚偽のエンゲージメントには該当しています。
禁止および制限されているコンテンツ - マップユーザーの投稿コンテンツに関するポリシー ヘルプ
違反とみなされたらどうなるか
報告がどのように使われるかまだ不明ですが、虚偽のエンゲージメントの違反が確認された場合、ビジネスに3種類の制限が課せられるリスクがあります。
- 一定期間、ビジネス プロフィールで新しいクチコミや評価を受け取ることができなくなる
- 一定期間、ビジネス プロフィールの既存のクチコミや評価が非公開になる
- 虚偽のクチコミが削除されたことを消費者に知らせる警告がビジネス プロフィールに表示される
口コミのポリシー違反によるGoogleビジネスプロフィールの制限のヘルプと再審査請求フォームが公開 - ローカルSEOの備忘録
制限は、過去の事例では、解消に3ヶ月程度かかったのを確認できています。少なくとも、数日以内で解消できるものではありません。
過去の口コミが非公開になる上、新しい口コミを収集できなくなることで、集客力が低下するリスクがあります。また、「虚偽の疑いのあるレビューの削除」という表示はブランドイメージの低下を招きます。
現在、多くの店舗が特典による口コミ集めを行い、多くのツールが「レビューの強要」を疑われかねない機能を実装しています。しかし、今回のフォーム実装によってリスクがかなり高まりました。「みんなやっているから大丈夫」ではなく、きちんとした手法で口コミ集めをしていただくことをおすすめします。
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