先日、海外のSEOツールベンダー「Moz」によって、Googleのレビュー(口コミ)に関する3つのレポートが公開されました。
ローカル ビジネス レビューが消費者行動に及ぼす影響 | SEO業界レポート
このレポートでは、3つの調査レポートが解説されています。
- 口コミを読む側の調査
- 口コミを書く側の調査
- 口コミ返信する側の調査
日米のユーザーの違いはあれど、どれも興味深く、Googleビジネスプロフィールの活用につながる調査でした。
今回の記事では、レビューを書く側の調査「口コミ投稿者の習慣」について、特に興味深い点を、簡単に紹介していければと思います。
「クチコミを増やす」ヒントが盛りだくさんです。
「口コミ投稿者の習慣」の調査項目
- 地元企業のオンライン顧客レビューをどのくらいの頻度で書きますか?
- ローカル ビジネスのレビューを書くのに最も時間を費やしているレビュー サイトはどれですか?
- 新型コロナウイルス感染症により、レビューを書く頻度に影響がありましたか?
- 否定的なレビューを残す原因となったものを次からすべて選択してください。
- ローカル ビジネスのレビューを書くのはなぜですか?
- レビューを書くことと引き換えに、ビジネスから金銭、割引、またはプレゼントを提供されたことがありますか?
- 過去 5 年間に地元企業から直接レビューリクエストを受けたことがありますか?
- 企業からレビューを残すように頼まれたとき、どのくらいの頻度でレビューを残しますか?
- ローカル ビジネスのレビューをどのように求められたいですか?
- 実際よりも多くのレビューを書く上で障害となっているものはなんですか??
ご興味ある方は、英語記事ですが、ぜひ元記事をチェックしてみてください。
その中でも、特に興味深かった3つの調査はこちらです。
否定的なレビューを残す原因
否定的なレビューを書く動機の1位(65%) は、「悪いまたは失礼な顧客サービス」によるものでした。
これは、「商品が悪い」ことを、わずかに超えて1位。「商品」と「顧客サービス」は、他の項目の2倍以上の件数となっています。
※The Habits of Local Business Review Writers | SEO Industry Report - Moz より引用
商品を変えることより、接客を変えることは簡単です。
顧客の 40% が禁止または違法なレビュー要求を受けたことがある
「レビューを書くことと引き換えに、ビジネスから金銭、割引、またはプレゼントを提供されたことがありますか?」という調査に対して、40% が「禁止または違法なレビュー要求を受けている」との結果が。
※The Habits of Local Business Review Writers | SEO Industry Report - Moz より引用
これには正直驚きました。レビューを書く代わりに金銭、割引、またはプレゼントを提供するのは、ガイドライン違反です。
罰則のある海外でこの数字なので、日本では、もっと多いのかもしれません。
業界によっては「当たり前」となってしまっているガイドライン違反ですが、Googleの対策も進んでいますし、海外のように罰則が作られる可能性もあります。
「違反行為を報告されて、リスティング停止になる」というリスクもあります。また、こうした口コミは、「店員に見せる必要がある」ため、高評価になりやすく、「期待値調整に失敗して、低評価レビューが増えてしまう」という長期的なリスクを持っています。
口コミを書かなかった理由の第1位(38%)は、「書くのを忘れたから」
「実際よりも多くのレビューを書く上で障害となったことはなんですか?」という調査結果です。1位の38% が、レビューを書かない主な理由は、「レビューを書くのを忘れたから」だと答えています。
※The Habits of Local Business Review Writers | SEO Industry Report - Moz より引用
時間があるときに、書こうと思って、そのまま忘れてしまったと言うケースが多いようです。
レビューを書く側にやってみるとわかるのですが、レビューを書くのは案外大変な作業です。
何を書けばいいか・相手に不快な印象を与えないか・情報は足りているか・記憶は正しいかなどなど。つまり、レビューは、その場や体験が新鮮なうちに書いてもらうことがポイントだったりします。
もう一つは、「忘れてしまった人いるの思い出してもらう工夫」が必要あるということです。
具体的には、メールマガジン・同梱チラシ・ダイレクトメール等、顧客に対して案内をする際に、レビュー投稿の依頼もセットでするのが有効でしょう。
この際、重要なのは、顧客がどんな時に暇なのか、レビューを書きたくなるタイミングをあらかじめ把握しておくことです。
闇雲に「レビューを書いて!!!書いて!!!」とお願いしても、それは押し売り営業と変わりがありません。かえってお店の信頼や印象を悪くすることにもつながってしまいます。
例えば、靴だったら、数時間後や翌日・数日後の案内が有効でしょう。
また、主婦の方だったら、家事が落ち着くタイミング、ビジネスパーソンなら朝や仕事終わりのタイミングの案内が有効かもしれません。
どうしたら、軽い気持ちでレビューを書いてもらえるのか?レビューを書くのに必要な情報は?暇な時間帯やタイミングはいつか?を、常にリサーチしていくことです。
これらは、店舗や商品の特性によって細かく変わります。
口コミを書く負担を軽くするのも有効
また、消費者がレビューを残す際のその他の障害として、「レビューのプロセスがわかりにくい、または難しすぎる(30%)」、「企業が書かれた内容を読むほど気を配ると信じていない(26%)」、「レビューを書くのに時間を費やしたくない(24%)」なども挙がっていました。
口コミ投稿の心理ハードルを下げる案内、感想をほしいものの例、写真を撮りやすくするきっかけ、口コミを書く参考になる商品の説明など、レビューを書きやすくする仕組みがあると有効でしょう。
「こう書いてほしい」や「好意的なコメントだけ書いて」を案内するのはガイドライン違反ですが、「感想を書いて欲しい」「今日食べたメニュー・受けたサービス・接客などについて書いてください」「今日のサービスの良かった点や改善点があれば書いてください」などの案内は問題ありません。
ただし、この際には、「"醤油ラーメン"について書いてください」というような、具体的な口コミの内容まで案内するのは、違反とみなされるケースがあるのでご注意ください。
今後、もう2つの調査レポートについても紹介していく予定です。ぜひ、後日の記事もご覧ください。
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