ローカルSEOの備忘録

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口コミへの返信に期待される返信スピード、やってはいけない返信とは?ブランド評価は変わるか?Mozのローカルビジネスレビュー調査

前回の記事「口コミを書かなかった理由の第1位(38%)は、「書くのを忘れたから」ー Mozのローカルビジネスレビュー調査(口コミ投稿者の習慣) - SEOの備忘録」に、引き続き、今回も海外のSEOツールベンダー「Moz」によるGoogleのレビュー(口コミ)に関するレポートを紹介していきます。

 

今回の記事では、レビューを返信する側の調査「口コミへのオーナーの反応が与える力」について、特に興味深い点を、簡単に紹介していければと思います。

クチコミ返信のヒントが盛りだくさんです。

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「口コミへのオーナーの反応が与える力」の調査項目

  • オーナーの返答があればビジネスを探しますか?
  • 企業があなたのレビューにどれくらい早く返信すると思いますか?
  • オーナーのどんな反応を見たら、そのビジネスを避けますか?
  • 肯定的なレビューを書いた場合、企業からの返答を期待しますか?
  • 否定的なレビューを書いた場合、企業からの返答を期待しますか?
  • 否定的なレビューに対する経営者の反応によって、会社に対するあなたの評価が改善されたことがありますか?
  • オーナーの対応によってあなたが経験した問題が解決した場合、その会社にもう一度チャンスを与えますか?
  • 企業があなたの苦情をうまく解決してくれた場合、あなたの低い星評価や否定的なレビューを更新しますか?

ご興味ある方は、英語記事ですが、ぜひ元記事をチェックしてみてください。

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その中でも、特に興味深かった3つの調査はこちらです。

消費者の 60% は、返信が 2 日以内に来ることを期待

「企業があなたのレビューにどれくらい早く返信すると思いますか?」という質問に対して、60% はレビューに対する返信が 2 日以内に来ることを期待しています。

消費者が自分のレビューに対する反応をどの程度早く期待しているかに関するデータを示すグラフ。

さらに 21%は 24 時間以内の返答を期待。早ければ早い分、店舗での体験の記憶が強化されるので、リピートにつながりやすいです。「48時間以内に返信する」を、クチコミ返信のルールとするのもありかもしれません。

54%の消費者は、「オーナーの返信で、問題の解決を提案していない」時に、その店を間違いなく避ける

「オーナーのどんな反応を見たら、そのビジネスを避けますか?」という質問に対して、「問題の解決を提案していない(Doesn't offer to fix the problem)」と感じた半数以上(54%)が、「間違いなく避ける(definitely would)」と回答しています。

オーナーの対応のどの要因が消費者によるビジネスの選択を妨げているかを示すグラフ。

加えて、「問題に対して謝罪していない(Doesn't apologize for a problem)」「顧客と口論している(argues with the customer)」様子を見たユーザーの半数も、その店を間違いなく避けるという結果になっています。

店舗によっては、悪く言えば「高圧的な態度」、よく言えば「毅然とした対応」をする店舗もあるでしょう。

それはショップによって自由ですし、そういった対応自体は批判するものではありません。

しかし、口コミ返信を見ているユーザー視点では、攻撃的な態度は、基本的にネガティブな印象を抱くという事実を、理解しておく必要があります。

 

私自身、毅然とした対応をする際にも、相手を弾劾・追い詰めるような返信はお勧めしていません。

仮に、嫌がらせ・誤解・誤りだと判断できても、「店を間違えていないか」「勘違いではないか」「誤解を与えて申し訳ない」などと、相手が誤りに気づき、あるいは誤りや低評価を撤回するメンツを立てる逃げ道を作っておきます。

これによって、口コミの評価自体が、返信後に改善されることもあります。

また、オーディエンス(やり取りを見ているユーザー)から、「攻撃的」と思われるリスクを大きく減らせるでしょう。

否定的なクチコミを書いた67%の方が、オーナーの対応が良かった場合、ブランドに対する評価が向上

「否定的なレビューに対する経営者の反応によって、会社に対するあなたの評価が改善されたことがありますか?」という質問に対して、 67%の方が、「オーナーの対応が良かった場合、ブランドに対する評価が向上した」と回答しています。

返信によって、目に見えた点数が変わることは、そう多くないでしょうが、2/3の方が、少なからず良い印象を持つことには、重要な意味があります。

否定的な口コミ投稿者の 67% は、オーナーの対応によってビジネスのイメージが改善されました。

多くはないですが、否定的な口コミへの返信後、口コミの評価も改善されることがあります。

実際、ネガティブな口コミの返信の際に、問題の解決策を書き、そのクチコミの可能性のある方達に、その解決策を実際に連絡した際、「書いた問題は解消されましたので、星1を星4に変更します」という改善が起きたことがあります。

投稿者は意外と返信を見ているし、期待もしているということがわかります。

このような口コミは、単純に高評価な口コミ以上に、来店や好印象につながることでしょう。

「企業があなたの苦情をうまく解決してくれた場合、あなたの低い星評価や否定的なレビューを更新しますか?」という別の質問に対して、「63% は、所有者の対応により苦情が解決されると、否定的なレビューまたは低星の評価を更新する」というデータもありありました。

レビュー担当者が所有者の応答に基づいて否定的なレビューを更新する可能性を示すグラフ。

※ただし、口コミの投稿者を突き止めて、裏で「口コミを消せ」や「修正しろ」と強要するのは、まったくおすすめできません。

そのことを口コミに追記されるかもしれないですし、そのやり取りをSNSなどで拡散されるケースも近年増えています。

口コミの返信では、オーディエンスを意識しながら、ユーザーの誠意を信じる

口コミの返信は、一部のMEO対策が言うような「返信することで順位が上がる」「返信文にキーワードを高めるのが重要」では、ありません。ローカル検索のランキングを高めるような効果は、ゼロに等しいです。

 

あくまでも、投稿者の気持ちや感想を受け止め、店舗を見た方の印象を良くしたり、来店を促す(アクション率を高める)という視点にフォーカスすべきです。

その点では、その口コミのやりとりを見たユーザー(オーディエンス)からどう見えるかという「第三者視点」を大事にするべきでしょう。

仮に、否定的なクチコミを書かれたとしても、オーディエンスは必ずしも、投稿者の意見を100%信じているわけではありません。誠意を信じて、誠意を持って返信することが、口コミ返信において、大切な視点になります