ローカルSEOの備忘録

インターネットや検索エンジン、Googleビジネスプロフィール、SEO・ローカルSEOの小ネタをコツコツ書きます

【トラブル急増】行政サイトのリニューアルや閉鎖時に問題になった事例一覧

自治体や公的機関などの行政サイトは、信頼性の高いドメインであり、公共性の高い重要な情報が掲載されています。

いわば「公有財産」にあたるサイトが、リニューアル時や閉鎖時に「当然やるべき設定」をしなかったことで、不祥事として、ニュースやSNSで話題になってしまった事例が多発しています。

厚労省の中古ドメイン320万円 コロナ関連、公的サイト出品続出 | 毎日新聞

和歌山県は、放棄ドメインパパ活サイトに転用で、知事が謝罪する事態にもなりました。

Go Toイート事業のURLが“パパ活”サイトに 知事謝罪|NHK 和歌山県のニュース

行政の担当者は、インターネットの仕組みの素人の方がほとんどです。

サイト制作の要件定義にあたるプロポーザル事項も、以前のコピペを繰り返した挙句、時代に全くそぐわない条件になってしまっている案件を、たくさん見かけます。

 

こうしたサイトに関わる制作会社は、行政の担当者から「やらなくても良い」と言われたとしても、社会的な役割を自覚し、プロフェッショナルとして、「市民の情報財産を失うことで、不祥事で話題になってしまうリスクがあります。本当にやらなくても良いのですか」くらいの勢いで、強くアドバイスするべきだと考えられます。

 

具体的に、サイトリニューアルや閉鎖時に問題になりやすい「まずい対応」は、主に3つです。

行政サイトで主に問題になる対応

  1. 適切なリダイレクトなくURLを変更
  2. 政府・自治ドメイン以外のドメインを放棄
  3. SEOを考慮しないサイトリニューアル・運営

こうした対応をしてしまうと、ユーザーが必要な情報を見つけられなくなります。怪しげなアフィリエイトサイトに利用されたり、詐欺サイトへの誘導、なりすましに悪用されたケースもあります

自治体管理ドメイン悪用が相次ぎ発覚、「使い捨て感覚」脱せずアダルト転用も | 日経クロステック(xTECH)

結果的に、莫大な費用や時間を費やした事例も発生しています。

行政サイトにおけるトラブルを減らすために、これまでSNSやニュースで話題になってしまった問題点や事例をまとめました。

※取り上げた特定のサイト・運営元を揶揄・批判する目的ではありません。

事例収集協力:フジイユウジ氏

問題1. 適切なリダイレクトなくURLを変更するリスク

適切なリダイレクトを行えば、URLを変更しても、ユーザーは新しいページにスムーズに辿り着けますし、検索エンジンからのページ評価も引き継がれます。

引っ越しのトラックのイラスト

しかし、リダイレクトなくURLを変更すれば、ユーザーは自分で新しいURLを見つけないといけないですし、同内容でも検索エンジンからの評価は失われて、検索順位は大きく落ちてしまいます。

適切なリダイレクトなくURLを変更するリスク

  1. ページ評価がリセットされ、検索流入を失う
  2. ユーザーがコンテンツを見つけられなくなる
  3. ユーザーの情報の探し直し・ブックマークのやり直し、関係サイトのリンクの貼り直しなどの負担が増える

「トップページやサイト内検索から自分で目的のページを探してください」という案内は、ユーザーの負担・時間を浪費させるだけでなく、サイトのリニューアル仕様(例:サイト内検索の不備)によっては、目的のページにたどり着くのが、極めて困難になってしまった事例もあります。

道に迷った人のイラスト(男性)

また、行政サイトのような信頼性の高いサイト・情報は、多くの他のサイトからリンクで紹介されることも多いですが、そういったサイトからの「リンク切れ」を大量に生み出すことになります。連鎖的に、たくさんのサイトの価値を損ねてしまっています。

「リダイレクトをしない」という判断は、行政機関などの公的な情報と、他の行政文書や論文などからのリンクを切ってしまう重い責任が生じます。

問題2. 政府・自治ドメイン以外のドメイン放棄

政府・自治体専用以外のドメイン名は、有効期限が切れると、第三者がオークションを通じて購入できるようになります。

放棄されたドメインの購入自体は、問題のない手続きですが、行政が放棄したドメインを、アダルトサイトやなりすましに利用されてしまった事例が相次いでいます

自治体管理ドメイン悪用が相次ぎ発覚、「使い捨て感覚」脱せずアダルト転用も | 日経クロステック(xTECH)

2020年9~11月に確認できた分だけでも、鳥取県秋田県大館市兵庫県神戸市、茨城県が使っていたドメインが中古ドメインを扱う事業者を通じて販売されていた。いずれも売買成立から間もなく不適切なサイトが開設されている。

子育て支援事業などに使っていた秋田県大館市ドメインは2020年12月10日時点でアダルトサイトとなっている。

茨城県が県のPR活動に使っていたドメインも2020年11月時点で、第三者が取得したことが確認されている。12月10日までに、美容好きを名乗る個人が育毛剤のサイトを新たに開設した。

自治体管理ドメイン悪用が相次ぎ発覚、「使い捨て感覚」脱せずアダルト転用も | 日経クロステック(xTECH)

フィッシングサイトのイラスト

行政サイトの信用性は高く、必然、他のサイトからリンクが張られることが多くなります。新たなドメイン取得者に悪意がある場合、詐欺や行政への嫌がらせに利用されたり、アダルトサイトに誘導したりする可能性も考えられます。

アフィリエイトサイトに転用されることによるブランド毀損も起きています。

過去に保有していた「コンテンツ緊急電子化事業」特設サイトのURLから、同事業と無関係なサイトへのリンクが張られているとして注意を呼び掛けた。アクセスすると、ウイルス感染などの恐れがあるとしている。

経産省「コンテンツ緊急電子化事業」偽サイトに注意 事業終了後、第三者が「.jp」ドメイン取得 ウイルス感染のおそれ - ITmedia NEWS

行政サイトの「中古ドメイン」は、検索サイトで上位に表示されやすいため、アフィリエイターなどからの人気があります。

厚労省の中古ドメイン320万円 コロナ関連、公的サイト出品続出 | 毎日新聞

政府機関等の対策基準策定のためのガイドライン(令和5年度版) 」では、行政サイトのドメインは、「なるべく政府・自治体の専用ドメイン(※go.jpやlg.jpなどの公的機関だけが申請・取得できるドメイン)を利用すること」「どうしても専門ドメイン以外を利用する場合は、ドメイン名を不正に利用されないように登録管理を一定期間維持しなければならない」とされています。

J-LIS LG.JPドメイン名について

東京都は、全国の自治体に先駆けて、自治ドメインへの移行を啓蒙しています。

しかし、小さな組織や地方になると、そういった知識のない担当者が、第三者が取得可能なドメインで、サイトを制作してしまうケースが少なくありません。

コロナ禍において、行政主導のワクチン関連やキャンペーンサイトなどが、行政ドメイン以外のドメインでたくさん作られました。コロナ禍が落ち着いた今、そうしたサイトが、大量に放棄され始めています

転売のイラスト

現状、「一度取得したドメインを、今後、誰にも利用できなくする」ことは、できません。ガイドライン上の一定期間は、具体的に定められていないようですが、サイト閉鎖/変更の告知の徹底した上で、「最低限、数年〜10年は保持しておく」ことが、専門家の間では推奨されています。

「ペットとドメインは『最後までお世話をする覚悟がなければ買わない』という意識が大切です。もしドメインを手放す場合でも、運用停止の案内を例えば10年以上とか、長期間出してから行うべきです」と提案する。

厚労省の中古ドメイン320万円 コロナ関連、公的サイト出品続出 | 毎日新聞

行政ドメインは、一般的なドメインに比べて、審査・取得にかなりの時間(数週間〜1ヶ月以上)がかかります。行政サイトに関わるサイト制作会社は、まず最初に「ドメインは、行政ドメインを利用しますよね?時間がかかるので、余裕をもったスケジュールで進めましょう」と提案すべきです。プロフェッショナルとして。

ここからは、実際に起きた問題やニュースとして取り上げられた行政サイトの事例を紹介していきます。

※もし下記以外でも事例があれば、記事かTwitter(X)にコメントいただけますと幸いです。

 

事例:中野区 公式サイト(2023年10月)

問題:リダイレクトなく新しいURLに変更

リニューアル時に、重要ページのURLが変更に。Google検索からの遷移先ページがほぼリンク切れで、区民が情報にアクセスできない状況に。

・トップページ以外のページは、URLが変わっています
・ブックマークをされている場合は、URLの変更をお願いします
・検索サイトでページが正しく表示されない場合は、
トップページから目的の情報をお探しください

ぺージが正しく表示されないときは | 中野区

リニューアル時に、トップページのURLが全部変わったっぽくて、Googleにクロールされてるページがほとんどリンク切れになってます。ご注意を。

https://x.com/yoshikikoji/status/1715188105878372781?s=20

事例:岡山県事業サイト(2023年10月)

問題:利用していたドメインを放棄

岡山県は10月17日、県が過去に使っていた5つのドメインが、オークションなどを通じて第三者に再取得されたと公表した。各ドメインを使ったサイトについて「県とは無関係」と注意を呼び掛けている。

ドメインにリンクを張っている管理者に対して、Webサイトへのリンクの削除を依頼しているという。また、庁内へドメイン管理の注意点を周知徹底したとしている。

「みんなで晴れの国 コロナ情報サイト」(fight-okayama.jp)、「もんげー部」(8092fun.jp)、「岡山県飲食店感染防止対策第三者認証事業」(okayama-ninsho.jp)、「おかやまプレミアム付食事券発行事業」(okayama-eat.com)の4ドメイン。また、「留学促進バーチャルフェア OKAYAMA2021」(ryugaku-sokushin.jp)のドメインは現在、オークションサイトで入札が受け付けられている。

岡山県「過去に使ったドメインを第三者に再取得された」 管理者にリンク削除を要請 - ITmedia NEWS

事例:大阪市 マイナンバー出張申請サポートサイト(2023年9月)

問題:利用していたドメインを放棄

大阪市 マイナンバーカード出張申請サポート」サイトのドメインが販売され、落札されてしまった。

https://x.com/izutorishima/status/1705553418587426975?s=20

事例:厚労省のCOVID-19特設サイト(2023年9月)

問題:利用していたドメイン(covid19-info.jp)を放棄

他の多くの公的機関のサイトからリンクされ続けてるが、ドメインを期限切れで放棄。オークションで落札されてしまった。

厚労省は25日の落札を受け、このドメインを使ったサイトの運用スタートを伝える過去の報道発表資料をホームページから削除した。リンク先としてこのページを掲載しないよう他の省庁や自治体、医療関係団体に周知。厚労省のサイトでも注意を呼びかけている。

省庁や自治体などのホームページ(HP)で使われ、その後手放した新型コロナ関連のドメインが、ドメイン登録サービス社のサイトに多数出品され、オークションにかけられている。厚生労働省HPで使われたドメイン「covid19-info.jp」は25日、322万4400円で落札された

厚労省の中古ドメイン320万円 コロナ関連、公的サイト出品続出 | 毎日新聞

事例:ドコモ口座(2023年9月)※行政ではありませんが話題性・影響力が大きい

問題:利用していたドメイン(docomokouza.jp)を放棄

NTTドコモが「ドコモ口座」(現在の「d払い残高」)のサービスサイトで使っていた「docomokouza.jp」ドメインが、GMOインターネットグループが提供するドメインオークションサイト「.jpドメインオークション」で一時的に誰でも購入できる状態になっていた。現在は当該オークションは落札額402万円で終了しており、所有権はドコモに戻っているという。

ドコモ口座で使われていた「docomokouza.jp」ドメインがオークションで競売 現在はドコモの手に戻る - ITmedia Mobile

事例:神戸市(2023年6月)

問題:利用していたドメインを放棄

神戸市立須磨海浜水族園ドメインを利用してカジノ誘導サイトにされていることがわかった。

20年9月頃に第三者に取得され、その後、偽サイトが開設されたとみられる。偽サイトでは、イルカの写真など旧サイトの情報を掲載する一方、「オンラインカジノでも海の動物に出会うことが出来ます」などと海外のカジノサイトの関連サイトを紹介

須磨海浜水族園の旧ドメイン、海外カジノ誘導…アダルトサイトに悪用例も : 読売新聞

事例:文化庁(2023年4月)

問題:利用していたドメインを放棄予定

文化庁ドメイン放棄する可能性を発表して話題になった。まだ放棄はしていない。

文化庁、約4万8千件の日本映画の情報を集めたサイトをひっそり閉鎖、ドメインも放棄へ【やじうまWatch】 - INTERNET Watch

事例:IPA公式Webサイト(2023年3月)

問題:リダイレクトなく新しいURLに変更

一部のページのみリダイレクト。ITの専門機関がこのような対応で良いのかと話題に。ニュースでも大きく取り上げられ、お詫びのリリースを出し、順次リダイレクト対応することになった。

IPAウェブサイトリニューアルに係るお詫びと対応について | 新着情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

情報処理推進機構IPA)の公式Webサイトリニューアルについて、Twitter上で批判の声が上がっている。新URLへのリダイレクト設定がなく既存のリンクを開いても「404 Not Found」になっているとの報告が相次いでいる他、RSSがなくなって困るというユーザーもいる。

リニューアルによりURLの変更もあったが、新ページへのリダイレクト設定がなく、既存のリンクを開いてもコンテンツが表示されないケースが多発している。

IPAのサイトリニューアルに総ツッコミ 多くの旧ページが「404」、リダイレクトせず 「なぜこんな雑に」 - ITmedia NEWS

事例:東京都 都知事選挙特設サイト(2022年12月)

問題:利用していたドメインを放棄

2020年7月に開催された東京都知事選挙の特設サイト「2020tochijisen.tokyo」が不動産関連のページに。その後、さらに別の第三者によって取得され、なりすましのサイトが復元された。

2020年7月5日の東京都知事選に合わせて開設され、翌月にクローズしたのだが、翌2021年5月にドメイン自体が期限切れとなり、それを取得した第三者によってしばらく不動産関連の広告ページが表示されていた。その後、二度目の期限切れに伴ってこのウェブサイトが放棄され、2022年10月に別の匿名ユーザーがドメインを取得。

 

2022年11月になって、かつての都知事選特設サイトがそのままの姿で復元されて現在に至っている。今のところマルウェアなどが仕込まれるなどの形跡はないようだが、何の目的もなくかつてのウェブサイトを復元してそのままにしておくことは考えにくいだけに、うっかりアクセスしないよう注意が必要だ。

何が目的? 2020年7月の東京都知事選挙の特設サイト、何者かによって完全復元される【やじうまWatch】 - INTERNET Watch

事例:経産省 コンテンツ緊急電子化事業(2022年11月)

問題:利用していたドメインを放棄

経済産業省は過去に保有していた「コンテンツ緊急電子化事業」特設サイトのURLから、同事業と無関係なサイトへのリンクが張られているとして注意を呼び掛けた。アクセスすると、ウイルス感染などの恐れがあるとしている。

このドメインを第三者が取得し、緊デジのWebサイトのデザインを再現した上で、無関係なサイトへのリンクを貼り付けたようだ。

経産省「コンテンツ緊急電子化事業」偽サイトに注意 事業終了後、第三者が「.jp」ドメイン取得 ウイルス感染のおそれ - ITmedia NEWS

事例:伊万里市公式サイト(2021年8月)

問題:公式サイトのGoogle検索のindexがほぼ全て削除された

市の担当者は取材に対し「Google検索はGoogleが公式サイトと認証したサイトを上位に表示する仕組み」とし、何らかの理由で認証が外れた可能性があるとして、Googleに認証を求めて再申請を出したと説明していた。一方、Google検索の上位表示に当たってそうした申請の仕組みはなく、誤解なのではないかと指摘する声もあった。

8月1日に市職員が問題に気付いたというが、市情報政策課は「検索エンジン側の認証が外れた」などとする供述をしており、「他の検索サイトから表示できるので、大きな影響はないと考えている」と事態を楽観視。

10日になっても問題は解消されず、「市はベンダーのいい加減な説明に丸め込まれているのでは?」との懸念を感じたセキュリティ専門家の徳丸浩氏が市に連絡を取り、ひとまず空のrobot.txtが設置されたことで、その日のうちに伊万里市ホームページは検索結果に表示されるようになったという。

7日に佐賀新聞が問題を報じると、Twitterでは有志らによる原因探しが始まり、程なくして市のホームページ管理システム(CMS)が異常な動作をしていることが判明。

本来、存在しないページにアクセスにはHTTPステータスコード「404」(NotFound)を返すべきところ、なぜかコード「500」(Internal Server Error)を返す状態となっていた。

そのため、クローラの従うべき動作を定義したrobot.txtへのアクセスも500エラーとなり、Googlebotがサイトをクロールして検索結果に表示して構わないかどうかの判断が不可能になってしまったというのが真相のようだ。

伊万里市ホームページがGoogle八分に。外部からの助言で10日目に復帰するも…… | スラド IT

市の公式ページが検索上位に表示されない――伊万里市がGoogleとヤフーにSOS(現在は復旧済み) - ITmedia NEWS

事例:デジタル庁 note(2021年8月)

問題:適切なリダイレクトを実施できず

外部サービスであるnoteにgo.jpドメインを付与するのは、公文書(行政文書)にあたってしまうため、jpドメインに移行。外部サービスのためリダイレクトできないという問題が発生。

専用ドメイン「note.digital.go.jp」下でnoteを用いた情報発信を開始。大臣から現場のスタッフに至るまで、メンバーが入れ替わり立ち替わり投稿を行っていた。

しかし昨日8月26日になって突然、noteを「digital-gov.note.jp」へと移転すると発表。旧サイトはリンク切れのまま放置されるに至った。

デジタル庁の「note」、新ドメインへの移転を突如実施。リダイレクトもなく批判が殺到【やじうまWatch】 - INTERNET Watch

事例:東京都 健康安全研究センター(2021年8月)

問題:利用していたドメインを放棄

同センターが2018年に配布した乳児ボツリヌス症の予防に関するポスターやリーフレットに掲載されていたQRコードを使用すると、東京都とは関係のないWebサイトに誘導されるという。

東京都はお知らせを出した後、ポスターを配布した病院などに対して、ポスターをはがすよう依頼した。これによりポスターを貼ったままの病院はなくなったという。ただ、2018年当時にこのポスターやリーフレットを取り上げたニュース記事や病院などのブログには、QRコードQRコードを読み取って得られるURLが掲載されたままだ。東京都が公開している資料の中にも、URLが残っている。

東京都が病院にポスターはがしを依頼した真相、ドメイン取引の怖い話 | 日経クロステック(xTECH)

事例:気象庁 公式サイト(2021年2月)

問題:リダイレクトなく新しいURLに変更

新しいURLへの変更以外に、検索エンジンに適切に評価されないURLの仕様にも変更。検索流入を大きく失うことになった。

気象庁のサイト。検索されやすさでは最悪のリニューアルがなされたようです。
たとえば千葉県の気象警報のページ
http://jma.go.jp/jp/warn/318_table.html
というURLから
https://jma.go.jp/bosai/warning/#area_type=offices&area_code=120000&lang=ja
というURLに。
SEOの知識がわずかでもある人だったら頭を抱える状態。
どうしてこうなった……

気象庁サイト。広告以外、サイトでも微妙な状態は継続。
今年2月のSEO要件をガン無視したリニューアルで大きく失った検索流入は、検索順位を見る限りその後ある程度回復したように見えますが、最盛期から比べて3-4割減じゃないかなあ。
(指名検索比率が高そうなため推定が難しく、上下あるかも)

https://x.com/tsuj/status/1364634815685742593?s=20

https://x.com/tsuj/status/1417675223197884417?s=20

事例:世田谷区 公式サイト(2019年7月)

問題:リダイレクトなく新しいURLに変更

全てのURLを変更すると告知して話題に。

サイトの告知によるとhttps化に伴ってコンテンツを再編、全てのURLを変更するとのことで「お気に入り登録やサイト等からのリンクを設定している場合、リニューアル後、再設定等をお願いします」と記されている

またしてもリダイレクトなし? 世田谷区公式サイトがリニューアルで全URLを変更へ【やじうまWatch】 - INTERNET Watch

事例:国税局 公式サイト(2018年3月)

問題:リダイレクトなく新しいURLに変更

トップページを除くほぼ全ページのURLが変更になり、目的のページにたどりつけないと話題になった。

ほぼすべてのURLが変わった。旧URLにアクセスすると、国税庁のトップページにリダイレクトされる仕様だ。

トップページにはYahoo!検索を使ったサイト内検索機能があるが、4月2日午後3時現在、これで検索しても過去のURLがヒットし、トップページにリダイレクトされてしまうため、「トップページの無限ループ」「目的のページにたどり着けない」と混乱が起きている。

 

「元のページと同じ内容を収めたページに直接リダイレクトさせることも検討したが、サーバの負担やメモリの使用状況、コストなどを勘案し、最終的には、全ページへのアクセスをトップページに返す形を選んだ」という。

国税庁Webサイト、全URL変更で混乱 サイト内検索も役立たず、「無限ループ」状態に - ITmedia NEWS