Googleビジネスプロフィールの分析では、深く狭く、「特定キーワードの順位」を気にするよりも、広く浅く、「関連キーワードの検索数」をチェックする方をおすすめしています。
ローカルSEOツールやMEO対策を推奨する方は、「順位が上がりました!」「○○で1位になりました!」というような、わかりやすい謳い文句をどうしても使いがちです。
変数が多いローカル検索においては、順位に固執するメリットは、そう大きくありません。
理由は3つです。
- ローカル検索の順位計測は難しい
- 特定キーワードの検索が、アクションにつながらないことも多い
- 何もしていないと、関連キーワードの幅が少ないケースがある
解説していきます。
1:ローカル検索の順位計測は難しい
Googleビジネスプロフィールの管理画面で、順位を確認できません。そもそも、順位はユーザーの位置や時間帯、検索とGoogleマップ、細かいキーワード(例:「新宿駅」と「新宿」)とでも変わります。
正確なローカル検索の順位計測には、時間や検索条件をあわせる、位置情報を偽装できるサービスを使う必要があります。ツールを使う予算・余裕がある、特定の仮説検証をしたい以外で、順位を気にしない方がおすすめ。
2:特定KWの検索がアクションにつながらないことも多い
例えば、不動産屋が「不動産仲介で上位に出たい!」と思ったとします。しかし、実際にその店を求めるユーザーは、「賃貸」や「新宿 1K」で検索している可能性もします。アクションにつながらないキーワードで上位に出ても、あまり意味がありません。
3:何もしていないと、関連キーワードの幅が少ないケースがある
通常検索にくらべて、ローカル検索の関連キーワードの幅はかなり狭いです。
ラーメン屋が、「醤油ラーメン」で表示されても「つけ麺」で表示されないケースも少なくありません。中国料理屋さんが、「中華」の検索で表示されてないことありました。
関連付けされているキーワードのチェック手順
- 自店に関連しそうなキーワードをリストアップ(メニュー・ジャンル・ユーザーの悩み・トレンド・店名・住所・店舗愛称)
- Googleビジネスプロフィールの管理画面のインサイト分析で、そのキーワードが含まれているかチェック
- 含まれていない場合、地名との掛け合わせ検索で、検索結果に表示されるかチェック(例:「新宿 縮毛矯正」)
- 下位、3ページ以内に表示されない場合、上位に出てくる店舗の特徴・関連付けされている部分をチェック
- クチコミ・投稿・商品・自社サイトなどで、関連キーワードを増やす取り組みを行う
特定キーワードの順位を追いかけるのに意味があるのか?
とはいえ、定期的に特定キーワードの順位を計測するのが「無意味」というわけではありません。多くの店舗では、優先順位が低いというだけです。
ボリュームの大きいキーワードで上位に出ることで集客効果があったり、逆にいままで上位に出ていたキーワードに表示されなくなったことで集客が少なくなったりは、十分にありえます。(ただし、7位が6位になった、15位が11位になったくらいでは、通常検索のような大きな変化は見られません)。
ですが、わたしたちのような専門家が、特定の仮説検証のために順位を材料に用いること・チェーン店などが店舗ごとの傾向をチェックすることでもしない限りは、実際の店舗ビジネスオーナーはもっと優先順位が高い分析項目があります。
具体的には、検索数・関連づけされているキーワードの量・アクション率・アクション数などです。
なお、わたしも分析のために順位計測をすることはありますが、改善の際に、「ヘアサロンでの検索順位が3位だから1位にしましょう!」と提案したことは、これまでありません。
このあたりの話は、以前Googleビジネスプロフィールのプロダクトエキスパートに取材したこちらの記事をご覧ください。
ローカルSEOツールやMEO対策を推奨する方の「上位表示に成功!」という事例キーワードを検証すると、安定してその順位を保てていなかったり、難易度の少ないキーワードを恣意的に選んでいるケースが少なくありません。
「特定キーワードの順位計測は不要ではないが、優先順位は低い」、「自分のビジネスに必要なキーワードをどう見つけるか」のほうが、まずは重要になります。