ローカルSEOの備忘録

インターネットや検索エンジン、Googleビジネスプロフィール、SEO・ローカルSEOの小ネタをコツコツ書きます

Googleビジネスプロフィールのブランド検索とは?条件と分析の注意点

Googleビジネスプロフィールのインサイト機能(分析機能)には、3種類の検索がカウントされています。

  1. 直接検索
  2. 間接検索
  3. ブランド検索(ブランド名検索)

※管理画面上では「ブランド名」と表記されていますが、ヘルプでは「ブランド検索」と書かれているので、本記事では「ブランド検索」で統一しています。

インサイトについて - Google ビジネス プロフィール ヘルプ

Googleビジネスプロフィール(Googleマイビジネス)の直接検索・間接検索・ブランド検索の違い

直接検索とは、店名や住所など(例:マクドナルド新宿駅前店)で検索されたもの。関心が高く来店につながりやすいが、数は少ない。いわゆる指名検索に近いです。

間接検索とは、ジャンルなど(例:ハンバーガー)で検索されたもの。関心が低いが、数は多い。

そして、ブランド検索とはブランド名(例:マクドナルド)で検索されたもの。関心度としては、「間接検索」以上「直接検索」未満といったところです。関心がやや高く、来店にややつながりやすい傾向があります。

直接検索数: お客様のビジネスの名前や住所を直接検索したユーザー。

間接検索数: 提供している商品やサービス、またそのカテゴリを検索し、お客様のリスティングが表示されたユーザー。

ブランド検索数: お客様のブランドや、お客様のビジネスと関連のあるブランドを検索したユーザー。このカテゴリは、ブランド検索でお客様のリスティングが 1 回以上表示された場合にのみ表示されます。

合計検索数: 直接検索数、間接検索数、ブランド関連検索の合計。

support.google.com

ブランド検索の対象・明確な基準は開示されていない

実際には「どれがブランド名なのか?」「この検索クエリはブランド名検索なのか?」は公開されていませんし、インサイト機能からもわかりません。

ただし、検索に表示されたローカルパックの店名のはじめに「A〜C」のようなアルファベットがついた状態、俗に言う「ローカルABCパック」が表示されている検索キーワードは、ブランド名検索の対象になる可能性が高いです。

「ローカルABCパック」が出る検索の特徴

  • 狭い地域内で似た店名での複数候補が存在する
  • 特定のブランドと地点との関連性が強い(店名・自社サイト・商品など)

ただし、このローカルABCパックですが、「コンビニ 新宿」のような特定ブランド以外の検索キーワードでも表示されます。

念のため、Googleビジネスプロフィールのサポート窓口に確認したところ、「"コンビニ 新宿"のような検索もブランド名検索に該当する」という回答がありました。

つまりブランド名検索でも「わかりやすい検索クエリ(例:セブンイレブン)」と「わかりにくい検索クエリ(例:コンビニ 新宿)」とが存在するということです。これは要注意ですね。

ブランド検索をどう考える?

業種業態・店舗にもよりますが、傾向として

検索数の多さ:間接検索>ブランド検索>直接検索

来店への繋がりやすさ:直接検索>ブランド検索>間接検索

となることが多いです。

ただし、ブランド検索は間接検索の一部として扱われるデータなので、間接検索数内のブランド検索数の比率が大きい場合、店名やブランド名以外に関連づけされているキーワードが少ないと考えられます

クチコミを獲得したり、投稿や自社サイトで情報を増やしたりなどの間接検索を増やす取り組みが必要だと思われます。

インサイトデータのダウンロードには、ブランド検索数は間接検索数に含まれている

インサイトデータを月次で絞り込んでダウンロードして、独自集計している方も多いと思います。

しかし、実はブランド検索はダウンロードデータ内には表記が存在しません。除かれているわけではなく、ブランド検索の数字は「間接検索」に含まれています(※公式ヘルプに記載がないため、Googleビジネスプロフィールのヘルプ窓口に確認済み)。

ダウンロードデータ上で間接検索数1,000となっていた場合、その中にブランド名検索が含まれています。

つまり、データ上では正確な数字を把握することができないので、管理画面でわかるブランド名検索と間接検索の比率をもとに、自分で推定する必要があります。

例えば、管理画面のインサイト機能のトップ画面でブランド名検索と間接検索が同じくらいの数があったら、ダウンロードデータではブランド名検索は半分くらいで考えるなどです。

なお、管理画面の表示とダウンロードしたデータでは、時差があるため完全に一致しない場合があるとのことです。

一方でつじつまが合わないデータになっていることも多く、インサイト機能のアップデートを熱望しています。

Google My Business APIを使う場合のブランド検索の注意点

Google My Business APIを使ったローカルSEOツールの場合、どうなるのでしょうか?

サポート窓口はこれに関する情報を持っていないらしいので、APIのヘルプページと実際のデータをもとにした仮説を紹介します。

  • APIを利用すると、ブランド検索数は取得できる
  • ただし間接検索数にブランド検索数は含まれている

Metric  |  Google Business Profile APIs  |  Google Developers

インサイト機能ではダウンロードできないブランド名検索数を、エクスポートできるのは便利ですね。

ただし、ご注意いただきたいのが、ローカルSEOツールによっては「合計検索数=ブランド検索数+間接検索数+直接検索数」としているものがあります

これはブランド検索を二重カウントしており、正しい数字とは言えません。そうなっている場合は、データを集計し直すことをおすすめします。

※なお可能性としては低く、どこからも明確な回答が得られなかった(おそらく誰も把握できていない。APIとビジネスプロフィールは担当が別)のですが、API経由のインサイトデータだけ「間接検索数とブランド検索数が分かれている」仮説も考えられます。